僕の彼女は品質保証 #36「テストマネジメントツールの選定風景」
僕の彼女は品質保証である。
2016年のとある初夏の晩。僕が帰ると、
彼女がPCに向かい、あるツールのデモ画面を食い入るように見ていた。
「このダッシュボードきれいだわ~」とか呟いている。
「何見てるの? うわ、全部英語じゃん。」
「Squash TMのデモ画面見てるの。」
「すかっしゅてぃーえむ? 何それ。」
「テストマネジメントツールだよ。
うちの会社でテストマネジメントツールを導入したいと思って。今選定中なの。」
彼女の会社は以前は受託開発がメインだったが、
プロダクトやサービスを開発するプロジェクトが増え、
短期で繰り返しテストを実施するようになってきたらしい。
確かに、今や1か月ごとに新機能追加・テストは当たり前かもしれない。
そのような中、今までのように確定した仕様をもとにテストするのではなく、
開発と並行してテストケースを育てて、プロダクトの品質を向上する必要が出てきたとのこと。
そこで、テストマネジメントツールを導入しよう、と品質保証チームで選定を始めたらしい。
「まぁ、無償ツールからの選定になるから、そこは悩まないけどね~
うちはベンチャーだから、ツールにお金はそうそうかけない!」
「何個のなかから絞るの?」
「40だよ。先輩社員と手分けして。だから私ぶんは20ツールだね。」
そうして40のテストマネジメントツールから2~3のツールにしぼり、
その後は1人1ツール触って、そのツールの使いやすさや課題を洗い出すらしい。
その晩のツール選定では、焼酎とチーズに手を伸ばしつつ、
40のツールのデモ画面や操作マニュアルを見て、
テストケースや実行結果の蓄積など、基本的な機能が備わっているかを見ていたようだ。
コーヒーを入れようとしていた僕は、彼女にもいるかと聞いたが、
「新しいものに触れるときは、お酒と決めている」という彼女に僕も付き合うことにした。
初夏限定のフレーバーがついた焼酎を飲みながら、僕は新しく買った本をめくった。
数日後。
彼女は、決戦はTestLink vs Squash TMになったよ、と話してくれた。
またあの焼酎の出番かな。
そんなことを思いながら、僕は今日のできごとを話す彼女の声に耳を傾けた。
つづく
P.S.
この後Squash TMは、導入するテストマネジメントツールに決まり、
導入の成果をJaSST'17 Tokyoで発表いたしました。
ご興味あるかたは、発表前に書いた SquashTMことはじめ。 - Qiita をぜひご覧ください。
また、JaSST'17 Tokyoでの発表資料はWeb掲載され次第、シェアさせていただきます。
by 「彼女」こと Acroquest Technology 品質保証エンジニア 若井みずほ