異端児のあなたとの思い出。
もうすぐ自分の部下が日本に行く。
品質やテストのエンジニアになりたい、と言うとても変わった子だ。
ショートカットが好きで、ヤンゴンの代表的な市場が
満月の日に閉まることを知らなかったり、ちょっと変わった子だな、と思っていた。
この国で「良し」とされることに、さほどの執着がない、と言えばいいのだろうか。
というと短絡的かもしれないが、質が高くない。
「たとえばお客様がこういう操作をした場合、どうなるの?」と聞いたときに、
ソースコードを見せられたときは、この国はどうなってんだ、と思った。
エンジニアは何を実装したかではなく、
お客様の「結果どうなるのか」に、いかに応えるかが
エンジニアとしての力量になると思うのだが、そういう思考回路は皆無だ。
そのなかで突如として、「わたしQAになりたいんですけど」と
カレー屋で言われたときは、この子は異端児だと思った。
もちろんマトリクスやディシジョンテーブルや
組み合わせテスト技法も教えたけれど、
テストエンジニアに一番大事なことは技法や知識ではない、と思う。
でも、精神的なものやスタンス的なものは、
なかなか理解できるものではない、とも思っていた。
先日、彼女があるプロジェクトの仕様把握と
試験設計を進め、状況を私に報告しにきた。
「この機能は、ないとお客様困るので、リーダーに提案しました。
今はこういう仕様になっていて、実際の業務では
Confuseすると思うのですけど、どうですか?」
このとき、この子は本当に、良い意味で異端児なのだと思った。
まだまだパターン漏れもあるし、
できることとできないことでムラはあるけど。
成長してくれて、ありがとう。
I wish you all the best in Japan.