僕の彼女は品質保証 #45「ある日の彼女の問いは、シンプルだった。」
僕の彼女は品質保証である。
彼女がミャンマーに行ってから、もう少しで2年が経とうとしている。
ミャンマーにいる彼女は、毎日が名〇偵コナ〇ばりに、
毎日が金〇先生ばりに、色々な出来事に見舞われているようだった。
そんな毎日のなかで、
ある日の彼女の問いはシンプルだった。
「何をあげればいいんだろう。」
ミャンマーでは、会社と家族と友達が絶対順位というべき順位で、
家族や友達が大事であるようだ。
会社というのは、ミャンマーの人にとって、特殊な概念なのではと思う。
あるとき電話越しの彼女が枯れたような声を出し、
心が固くなっているような感じがした。
たぶん人の集合体はなかなか難儀であるということを、
彼女は言いたかったのだと思う。
その数日後、彼女は
何をあげれば良いのだろうか、と言っていた。
会社は特殊な概念で、家族や友達が与えるものとは、
異なるものが在る場所だと思う。
だからこそ、与えられるものがある。
画面越しの彼女は質問しているようで、
質問などしていない。
ミャンマーの雨の音を聞きながら、
僕は僕で考えてみようと思う。