僕の彼女は品質保証 #42「それに対してあなたは何をしたの?」
「それに対してあなたは何をしたの?」
というのが、ミャンマーに行ってからの彼女の口癖だ。
かの水祭り休暇問題の際、「バスがないからです。」という社員に
「そうなんだ。それに対して、バス会社には文句言ってみたの?」
「○○さんと○○さんは、いつからいつまで、お休みだそうです。」
と言ってきたリーダーに、
「そうなんだ。それを聞いて、あなたは彼女らに何を言ったの?」
「あの子たちって、結局バス会社に文句のひとつも言ったのかしら?」
「言ってないと思いますよ。ミャンマーでは、
若井さんのように自分からリクエストする、というのは
非常にレアな考え方ですからね。」とのたまう社員に、
「そうなんだ。じゃぁ、そんな社員たちに、
あなたはポジションが高い社員として何を話したの?」
とか聞いてみるらしい。
英語で言うと、What did you say at that time? くらいのもので、
それを聞くと、たいていの人は、
1.黙る
2.わざと時系列をぼかしたり外して自分が何を言ったか、を滔々と語り始める
(本当は何も言っていないが、あたかも何かを言ったかのように話をつくる)
となるそうだ。
報告って、何かの事象に対して、自分はどう思うとか、
自分は何をしました、っていうのが報告であって、
情報をただ左から右に流すのは報告とは言わないと思うんだよね。
・・・というのが彼女の意見らしい。
僕もよく「そうなんだ、大変だね~。で、今はそのために何をしてるの?」
と聞かれる。僕だってたまには、「そうなんだ、大変だね~。」と
ただ言ってもらいたいときもあるんだけど。
でも、自分が何をしなくても、生きてはいけるみたいな考え方や、
現状をただただ受け入れてあきらめる、みたいな受身って
大きな事象・小さな事象さまざまに、国にかかわらずあるとは思うから、
僕も時折、彼女の口癖が頭をかすめる。
日本は季節外れの雪が降った。
彼女のいる国は、連日35度越えの暑さだそうだ。
すっかり季節を忘れた彼女に、桜の写真を僕は送る。