「何とも思いません。」
よくわたしはミャンマー人と話をしていて、
「そんなこと聞かれても困っちゃう。」という顔をされる。
ミャンマーで仕事していると、嘘であったり、その他、
この人は何でもありと思ってんだろうな、というやり方に触れ、
「こういうところが節操ないよね。」とか
「モラルないよね。」という会話になる。
そのたびに思うのは、
ビジネス面のモラルが育つ機会がないからなぁ、ということである。
この国、というかビジネスでの会話は、オウム返しになりがちだ。
「こういうことが起こったから、こうしてくれ。目的は云々。」
「わかりました。○○します。」
なので、わたしは対面で話ができるときは意識して聞くようにしている。
「こういうことが起こったんだけど、どう思う?」
そうすると冒頭の場面になる。
「そんなこと聞かれても困っちゃう。」という顔をされるのだ。
モラルとか倫理観は、感想に基づくものだと思う。
これは酷い、怒りを覚える、素晴らしい。いろいろな感想であって良い。
ミャンマーに赴任してから今まで、何度、
「何とも思いません。」という回答を社員から聞いただろう。
それでも私は、What do you think? と聞く。
何とも思わない彼らに、私は思うところがあるからだ。