リケジョのミャンマー赴任記。

湘南育ちの品質保証。ミャンマーから日本に帰国。仕事、人生、めいっぱい楽しみます!

ミャンマーへの祈り(2021/2/8-2021/2/14)

ミャンマーでクーデターが起きて2週間目。
大規模なデモが行われ、情報も錯そうしている。

 

2月8日(8日目)

社員の60%が休み。

6~7日目のインターネット遮断以降、
軍政反対の1万人規模の大規模デモが行われるようになっていた。

miwakaiz.hatenablog.com

うちの会社はリモートワークにしてそろそろ一年経つ、というところで、
通勤なしで勤務自体は可能だ。しかし、休む社員は
皆それぞれ抗議活動に対する思いがあるそうだ。

8年間一緒に働いてきた社員(ミャンマー人、現地勤務)と話したところ、
「明日から、今日は参加していない地方でも大規模デモが開始する」とのこと。

これはたとえ仕事しても、集中できないのでは?と聞いてみると、
「Yes」という回答。明日の業務停止を決めた。

政府から、夜8時以降の外出禁止と、5人以上の集会禁止のアナウンスが出た。
5人以上の集会禁止って日中もだよね?と思わず確認すると、
シニアスタッフから「そうよ」と言われる。
これは本格的に鎮圧活動開始ということだろうか。心が痛い。

必要な情報を得ながら、彼らが戻ってくる「仕事」という日常を、
冷静に守り、備えておくことが自分にできることだ、と腹が据わる。

2月9日(9日目)

とうとう全国規模の抗議活動と、国軍による鎮圧活動が開始。

ミャンマーの以前の反政府デモは、
何千人もの命が奪われた末に、軍が鎮圧している。
今回は、首都であり政治の地であるネピドーで、
国軍が、鎮圧活動初日から、実弾を使用。

社員からの言葉にため息が混じる。
どうか、「今まで」とは違う結末になってほしい、としか言えない状況。

2月10日(10日目)

政府がCyber Security Lawを法案として提出した、とアナウンス。
可決されるかどうかは不明。

その他は、様々な情報が飛び交っている。
市民と対峙していた警官がデモ隊に加わったとか、スパイもいるらしいとか。
社員たちは、evidenceがない、信憑性が低い情報は私には共有しない、
というスタンスのため、混乱がおさえられ、助かっている。

2月11日(11日目)

休日(日本の)で気が緩んだのか、なぜか自分が体調を崩す。

「私が心配したって仕方ないから、心配するのをやめてしっかりしなきゃ」
と自分に謎の負荷をかけていたことがわかる。

「心配なもんは心配なんじゃい」と開き直ることにした。

夕方には復活し、しょうゆラーメンを食べて社員の安否確認をする。

2月12日(12日目)

夜、8年ずっと一緒の社員(ミャンマー人、現地勤務)とビデオ通話する。
ひとしきりおしゃべりした後で、
「状況が悪くなってる。夜に人が逮捕され続けたり。
 地方の民族が鎮圧活動で散り散りになったり。
 先が見えない。来月のこともわからない」と彼女がこぼす。
毎日誰かと一緒にいられるのが、当たり前ではない。

2月13日(13日目)

昨日、2万人を超える囚人を政府が釈放。
釈放された囚人が、放火などを行った。
社員が住んでいるタウンシップも被害にあった、とのこと。
その一方で、警察はデモに参加した市民たちを令状なく逮捕していく。

市民は各タウンシップで夜警を行っている。
安心して眠れる国ではなくなってしまった。

2月14日(14日目)

2月13日夜に、国軍が法律の条項を一部停止。
裁判所の許可なく逮捕可能になったとのこと。

その一方で、このタイミングで再度住民登録が
求められているとのこと。
その情報、軍はいったい何のために使うんだよ?

明日がCyber Security Lawの承認予定日。
というタイミングで、ミャンマーの通信会社の一つ、Telenorが
クーデター後、軍がどのような指示を通信会社に出したかを公開した。

Directives from authorities in Myanmar - February 2021 - Telenor Group

自由に情報収集し、考え、発信することがもうできない。