リケジョのミャンマー赴任記。

湘南育ちの品質保証。ミャンマーから日本に帰国。仕事、人生、めいっぱい楽しみます!

ミャンマーへの祈り(2021/2/15-2021/2/21)

ミャンマーでクーデターが起きて3週間目。

市民は非暴力・不服従の精神を貫き、
軍政は銃弾を撃ち込んでいく。

 2月15日(15日目)

Cyber Security Law(軍事政権による検閲が可能になる)が
承認された。国営TV(国軍運営)で発表された、と社員から連絡が入る。

連日、夜間1:00AM~9:00AMはインターネットが遮断されている。

国軍が法律の条項を一部停止し、
裁判所の許可なく逮捕可能になったミャンマーでは、
その夜間に、デモやCivil Disordience運動参加者が逮捕され続けている。

それに加えて、連邦の日に恩赦で釈放された2万人を超える囚人らが、
市街で放火や水道への毒薬の仕込みを行っているとのこと。

市民は自警団で街を守っているが、
互いにインターネットで連絡しあえないなかで、
ふと気づいたら友人が逮捕され、いつのまにかいなくなっていた、
ということが起きているそうだ。

ミャンマーの夜は、本来であれば、
常にどこからかの家族の声が聞こえてくる、
賑やかながらも、どこか穏やかな夜だった。

2月16日(16日目)

昨日発表された法律は、Cyber Security Lawではなかった、
と社員から訂正連絡が入る。
既存のElectoronic Transaction Lawに、Cyber Security Lawの内容が
盛り込まれ、その改定案が承認されたとのことだった。

いずれにしても、市民の言論の自由は制限された。
情報省報道官が、「今後、メディアの報道の自由は保証できない」と
発表した。耳を疑う。

社員が自警団に所属し、毎晩活動している。
この先の活動状況は不明、と連絡が入る。
この国の人の覚悟を、ただ見ていることしかできていない。

2月17日(17日目)

最大級のデモで、道路は人で埋めつくされている。
暴動には一切ならず、非暴力・不服従での願いが続いている。

日本本社の全社員会議(オンライン)で、ミャンマーの現状を共有した。
日本メディアで放送される内容との差分に質問が絶えず、
会議後も若手社員が集まって、話がしたい、と言ってきてくれた。

警察らが市民に暴力をふるう動画が出回っては消える。

2月18日(18日目)

ミャンマー社員から、「本社への共有ありがとう。
ミャンマーの状況を知ってくれたことが嬉しい。」と言われる。
言葉が詰まる。

その間にも、警察らが市民に暴力をふるう動画が出回っては消える。

2月19日(19日目)

デモの写真を見るたびに、
軍の鎮圧活動の恐怖があるなかで、
非暴力・不服従を貫き通すミャンマーの人たちの
知性と強さを感じる。報われてほしい、と思わざるを得ない。

2月20日20日目)

ミャンマー第二の都市、マンダレー
実弾による軍事弾圧が始まった。
多数の死者・重傷者がいるとのこと。

非暴力を貫く市民に対して、銃弾が撃ち込まれていく。

2月21日(21日目)

経済の中心、ヤンゴンで実弾が使用された。
夜、町の自警をしていた若者が撃たれた、とのこと。
ごく身近に、軍事弾圧が迫っている。

自警団は、若者が実施していたが、
未来ある若者を守るために、
年上の人たちで自警団を再形成し始めた町もある。

明日(2021年2月22日)は、8888民主化運動にちなみ、
最大級のデモが行われる可能性があるとのこと。

数千の命が失われた8888民主化運動とは、
どうか違う明日になってほしい。

8年一緒に働いているミャンマー人の同期が、
明日のデモについて、将来にこの状態を引き継ぎたくないから、
と話す。顔を見たら、涙が出てしまいそうで、見れなかった。

彼女とまた明日、話せることだけを祈る。

 

▼1週間目、2週間目の記事

miwakaiz.hatenablog.com

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